父兄が空手経験者だと…

 御父兄が空手経験者だと、良い点、悪い点が出て来ます。
 良い部分は、技の意味が分かっている事。だから試合後にちょっとした解説やアドバイスができますよね。「あそこは…だから巧く取れた」「あそこでは…だから相手に合わせられた」「あの技は…になっていた」とかね。
 悪い部分は、「自分だったら…する」とか「何故…で取れない?」とか「何故…でもう一歩踏み込めない?」とか言ってしまう。
  例えば高校の空手部など、逆に父兄に経験者は少ないんですが、自分ができる気になって意見している場合がある。
 私も、息子が高校の頃、東海大学翔洋高校の空手部だったので、空手部父母会の会長やら、空き時間には指導に行っていました。そうすると稽古や試合の時など、父兄として言う事と、親父として言う事、 武道好きとして言う事、指導する立場で言う事の狭間で苦労する事がありました。
 でも基本的には勝ち負けとは別に、やはりそれで「何を学んだ」か という質問が一番多かったと思います。
 通常の道場稽古でもそうですが、順突きひとつ、平安二段でもそう、或いは組手も同じですが、
「その突きの時の膝の 位置の意味は何だと思う?」
「ここでこう入る理由は?」
「正中線がズレル理由は?」
「正中点の意味は?」
と、漠然と稽古し漠然と試合して来るのではなく本 人に「考える」癖をつけさせ、そして脳と体に染み込ませる為のイメージングをさせています。
 こうすることで、社会に出ても役立つ知性・理性・感性、脳の仕組みが創られて行きます。
 「何故巧くできなかったのか」と悩めば、答えは出ません。
 「悩む」はネガティブ。自分で「出来る自分」を否定します。
  「悩む」は答えのでない事を頭の中でコネクリ回しているのですから。そして「どーせ無理さ」と、自分で自分を嫌ってしまいます。と言うより、自分で自分を 嫌っている人は、悩んでばかりいます。
 「反省」はポジティブ。考えれば答えを出せる自分を知っていますから。
 「そーか、こーすれば出来るじゃん!!」と、自分を好きになります。
 逆に、自分を好いてやると、反省します。自分で自分を好いている人は、反省します。
  ですから、是非、意見するのではなく、また一緒に落ち込むのではなく、一緒に考え、一緒に感じてあげて下さい。
 そして巧く行った時には、一緒に大喜びしま しょう。
 嬉し泣きで涙ボロボロも大切です。脳の中では、ドーパミンが大量に分泌されます。努力する事が、苦でなくなります。快感のドーパミンと精神安定の セロトニン、元氣のノルアドレナリンが、努力=成功という図式を形作ってくれます。
 そしてまた、そうした親の姿を見る事で、子供は潜在意識・顕在意識共、 心底親を信じます。
 悔しがるのはいけません。
 落ち込むのもいけません。
 怒るのもいけません。
 それは、反射的に潜在意識にネガティブを植え付けます。悔しがり、落ち込み、怒る…ネガティブ反応は、元氣のノルアドレナリンを極端に放出して血液をドロドロにします。筋肉を固くするアドレナリン、免疫力 を低下させ、記憶の海馬を萎縮させるコルチゾールも分泌されます。
 ですから、(「怒る」は自分の我を通そうとしている時です。だから怒るのではなく)叱る時は叱り、喜ぶ時は大喜びする。
 充実した親子関係の構築の為にも、充実したお互いの人生の為にも、是非空手の道をポジティブに繋げて下さい。宜しくお願いします。

空手道【四端塾】

全日本空手道連盟 和道會 千秋会 "四端塾" のHPにようこそ。 Welcome to Sensyu-kai "SHITAN-JUKU" (Japan Karate-do Federation WADO-KAI)'s HP. 仁義禮智 是 四端 也

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